ドイツからアメリカに向かって大西洋を航行中だった商船三井運航の自動車運搬船「フェリシティ・エース」が3月1日に沈没した。積まれていたのは、VWグループの約4000台だった。被害金額は460億円にも上ると試算されている。
積んでいた自動車の内訳は以下の通り
・アウディ:約1900台
・ポルシェ:約1100台
・フォルクスワーゲン:約500台
・ベントレー:189台
・ランボルギーニ:85台
1台あたり1150万円(被害金額から計算)の「超高級車」でした。
船はドイツのエムデン港から米国・ロードアイランドに向けて大西洋を航行中、2月16日にポルトガルのアゾレス諸島沖で出火した。
乗組員22人は全員がアゾレス諸島に避難している。
2月21日朝に消防設備を備えた2隻のタグボードが漂流中の船に到着し、船の冷却のためすでに乗船していた救助チームとともに水の噴射作業を始めた。船からの油漏れは確認されておらず、船は安定して煙の量が減っていたが、引き続き船から白煙が目視できる状況だったという。
その後、サルベージチームがヘリコプターで乗船して、アゾレス諸島沖の安全海域に向けて大型救助船で曳航を開始していた。(2月25日のレポートより)
しかし、3月1日の最新レポートによると、フェリシティ・エースは右舷への傾斜が見られたあと、現地時間の3月1日午前9時頃、沈没した。
沈没した位置はアゾレス諸島から220海里(約400km)ほど離れた地点である。現地では引き続きサルベージ船が監視を続けている。
火災の原因は、運搬中のBEVの電池なのか船のほかの部分から出火したかは不明。
EV用のリチウムイオン電池の火災については、これまでもその危険性が指摘されていて、一度炎上したリチウムイオン電池を消火するには、大量の水が必要になる。
貨物船、しかも今回は2005年に造船された新しい自動車運搬船で、最新の消火設備を貨物倉庫内に持っていたはず。
それでも、炎上する車両の煙で乗組員の消火能力では手に負えなくなってしまった。
今回の火災でEVの輸送の難しさが浮き彫りになったようです。
独フォルクスワーゲン(VW)は今回発生した損害について、保険が適用され、総額は約1億5500万ドル(約178億5000万円)に上る可能性があるとのこと。
保険って凄いな。。。
火災による負傷者は居ないそうで、せめてもの救いです。